灼熱の木曜日/日々、徒然。

日々、思うことを書き綴っています。

轢かれた猫

すごい怖いタイトルだけど、付け替えるのもなんだか違うなって。
 
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2010/3/11

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朝っぱらから、イヤなもの見ちゃった。

…て思って、それを「イヤなもの」と判別した自分の脳にちょっと嫌悪する。

道路のど真ん中に横たわる猫。
道路を渡ろうとするワタシとかぶる。

本を、普段なら読み始めるまでに時間がかかる、ワタシ。
1ページ目をめくるまでに、ひきずりこまれたらどうしようという妙な恐怖観念。で、1ページ目が開けない。

なのに、昨日、うっかり本を借りて、親友と親友の婚約者と3人で、「最後の独身の晩餐会」をする待ち合わせのほんの10分足らずで、うっかり1ページ目を開いてしまった。


こんなに研ぎ澄まされて、衝撃的で、完成度の高い本を久々に読んだ。


『告白』  湊かなえ


もう、怖くって、牛乳なんて飲めやしない。


そんな気分で、たまたま轢かれた猫に、出会う。
もう死んでいるのだから、出会うという表現は正しくないかもしれないけれど。

このタイミングでのその出会いは、ちょっと狂気に引っ張られる。

悲しいとか、可哀相、ではなく、ちょっと涙ぐむ。
それがなんて感情かなんて知らない。

轢かれた自分、を空想で重ねる。


この本を読んで妙にシンクロするワタシは、もうどこか螺旋が緩んでいるのかもしれない。

周りの人の感想は、「怖い」とか「ありえない」とか「一気に読めた」とかで。

まだ、ワタシは心を作品の中に置き忘れている。

昨日は深夜2時半まで読んだ。
行きの電車でも、立ちながら読んだ。
立ってることが、苦にならない。気にならない。

人間の、ドロドロした、暗いモノ。
そういうモノが受容(許容ではなく)できるヒトだけに、オススメします。

本屋大賞、第一位。